着物教室の講義で、家紋についてのお話がありました。
とっても面白かったのでメモメモしておく!!(/・ω・)/
日本には元々苗字の文化はなかった、というところから話がスタート。
天皇様には苗字がないので、なるほどって感じでした。
苗字が始まったのは明治から。
じゃあ織田信長とかどうなるの、というと、織田という土地があり、織田で生まれた信長ですよ、ということになるそうだ。
例えば山に挟まれた川があったとして、その辺りに住んでいる人の名前はこうなる。
川の上流に住んでいれば川上さん、上川さん。
川の中流は中川さん、川の下手は下川さん。
山の近くなら山川さん、川に別の川が合流していてその付近に住んでいたら河合さん。
こんな風にどこそこの誰々、とわかるようになっていた。
だから、苗字が同じだから血が繋がっている…とは限らないそうです。
血のつながりで言えば、家紋の方がはるかに大事だとか。
家紋は西暦600年から続いていて、これは代々子供に受け継がれてきているもの。
人には必ず両親がいて、その両親にも両親、つまり祖父祖母がいる。
この祖父祖母、父方と母方合わせて4人、必ず居る。
でもこの4人の名前をちゃんと言える人って、意外と少ないのです。
今日の講義でも全員の名前を言えると答えた人は半数だけ。
ちなみに私は言えません。一人、会ったことのないおばあちゃんの名前は知らない^^;着物譲ってもらってるのにね!今度名前聞いときます。
では、その更に一つ上のご先祖様のお名前は?
倍々で増えていくので、今度は8人。
こうなると、全部名前を言える人、居ませんでした。
その上の代の16人の名前は?
その上の32人は?
その上の…
イラストの汚さは置いといて!!
30代前まで遡ると、とんでもない数のご先祖様です。数字苦手な私は固まってしまいました(笑)
この全員の顔や名前なんて、全くわかりません。当然ですよね(笑)
先生は言います、「こんなものなんですよ」。
だから
「子供が生まれて、孫が生まれたら、あなたたちは忘れられます(笑)」
そうかも!だって自分もそうだもんね^^;
だから、家紋が大事なのです。
顔も名前も忘れられてしまうから。
唯一、自分が存在したという証なんですって。
あなたと誰かの血が繋がっているという証拠なんです。
ある芸能人の方のお墓を見ると、芸名で墓がたてられています。
でもその人にも本名、あるはずですよね。なぜ芸名でお墓をたてたんでしょう。
名前は大事じゃないんです。
乱暴な言い方をすれば、家紋さえあれば、名前はなんでもいいと言うことを表しています。
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葬儀における家紋の効力
この家紋、葬儀の場で大きな効力を発揮します。
葬儀場では家紋を見かけることがあります。
提灯などに付いています。
これらは亡くなった人ではなく、弔問客の方に向いています。
なので弔問客に対して見せていると思われがちですが、弔問客に家紋を見せたところで意味はありません。
これは生きている人たちのために付いているのではなく、
すでに亡くなっているご先祖様のために付いているのだそうです。
私たちに先祖様の顔がわからないように、ご先祖様だって私たちの顔なんてわかりません。
そんなご先祖様に、誰かが亡くなった時、
「あなたと同じ家紋の者が今旅立ちますよ、どうぞ迎えに来てください」
と示すためのものなんだそうです。
家紋があれば、ご先祖様だって迷いません。
あぁ、うちの血を継いでいる者が旅立とうとしている、迷わないようにお手伝いしてあげよう
という気にもなるんでしょうね^^
だからぜひ、弔いのために、葬儀には紋付の着物を着てください。
これがお迎えの印になります。
あの世で迷子にならないよう、お迎えに来てもらうためにあるんです。
先生が言うには、家紋が多い葬儀が良い葬儀、なんだそうです。
何万もする立派な花を増やすより、
家紋を一つでも増やすこと。
これが故人への良い弔いだそうです。
ところで紋付の着物ですが、5つ紋が付いていますね。
両胸は父と母を表し、
両袖は祖父祖母兄弟、親戚など、生きている身内。
そして背中の紋はご先祖様を表しているそうです。
この紋があれば、ご先祖様に守ってもらえます。
冗談なのか、
「嫁入りしたら、姑に虐められないように守ってくださいという意味で、着てみると良いですね」
みなさん笑ってたわ~(笑)
結婚した女性が亡くなると、葬儀の家紋は当然旦那さんの家紋が飾られます。
ということは、先に逝った姑さんたちも迎えに来ますよね。
だから、棺には実家の方の紋付を入れるんだそうです。
そしたら、実家の方のご先祖様も来てくれるから。
やっぱ実家の人に迎えに来てほしいですもんね(笑)
なので、絶対人に譲ってはいけないのが紋付の着物。
自分の棺に入れ、自分の身内にも迎えに来てもらうためです。
最近はこの風習が、「お気に入りの服を棺に入れる」というように、勘違いというか、形が変わってきたようですが^^;
三途の川では着物を脱ぐな
三途の川の意味もちょこっと教えてもらってきました。
仏教の教えで、生前に良い行いをしていた人は、あの世側の岸に行くのに橋や船を使えるそうです(宗派によって諸説あります)。
普通の人は浅瀬をパチャパチャと渡り、
悪い人は、深く流れの早い危険なところを泳いで渡らなくてはなりません。
このように、あの世の岸に渡る方法が3通りあることから、三途の川と言うそうです。
先生は言います。
大体の人が浅瀬を歩いて渡ることになる。
裾が濡れて気持ちが悪いからって、着物を脱いでその辺の岩にひっかけて乾かすようなことはしてはいけない。
絶対に着物を脱いではいけない、と。
川を渡った先にはお婆さんが居て、服を着ていないとそのお婆さんに地獄へ落とされてしまうそうです。
また、流れの早い危険なところで流されると、これも行き着く先は地獄です。
しかし、中にはこの濁流を、地獄へ行くまいと渡り切ってしまう強者が居る。
そんな人は、当然ずぶぬれになる。
ずぶ濡れの人も地獄に落とされる。
そんなところに干してある着物があれば、盗まれてしまいます。
代わりにあるのはずぶ濡れの服。
お婆さんに「これは私の着物ではないんです」と事情を説明しても、彼女は一切聞いてくれません。
地獄に行くしかないのです。
これが「濡れ衣を着せられる」の語源だとか。
こういう話、ちょっと面白くないですか?^^
いつもは着物を着る練習をして終わりだけど、今日はこんな話も聞けて、楽しい講義でした☆
日本の家紋とルイ・ヴィトン
おまけの話です♪
あのルイ・ヴィトンのデザイン、実は日本の家紋をヒントにデザインされたものだそうです。
よく見ると、確かに似ている…
家に帰ってから「日本の家紋 ルイ・ヴィトン」で検索したら、出るわ出るわそんな記事(笑)
家紋ってかっこいいもんね^^
家紋ってめっちゃたくさんあるから、この表の中になくても心配はいらないそうです。
私んちの実家の家紋について質問したところ、武士の紋だそうです。
おとんから
「うちの先祖は侍やったけど忍者になって、ほんで商人になって一回儲けてから、失敗して貧乏になったんやー!」
と聞かされていたけど、当たっていたようだなww
どの紋かバレそうやけど、ツタが伸びる様が「男性に絡みついて離さない」、つまり「食いっぱぐれない」というイメージがあり、
女性にもすごく人気が出た家紋だそうで、女郎とかで持ってる人多かったらしい。
女郎www
「男を離さず食いっぱぐれない」
という意味も確かにあるけど、これは忘れていいマイナーな雑学だから!
と先生は言っていたけど、インパクトありすぎて忘れられません先生…(笑)
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